現代社会では、時間に追われるあまり食事がただの栄養補給になりがちですが、私たちの「体」と「心」の健康を支えるためには、「食事」という時間を今一度見つめ直すことが大切です。そんな中、箸礼法という新しい健康習慣が注目されています。
箸礼法とは、毎日の食事における箸使いに着目をし、ひと口ひと口を丁寧に頂くことを通じて食事の質を向上させる方法です。シンプルなアプローチですが、その効果は侮れません。
たとえば、咀嚼力を高めることで消化を助け、腸の働きを活発にします。また、心身のリラックス効果も期待でき、結果的に生活習慣病の予防にも繋がります。
さらに、箸礼法には以下のような多角的な効果もあります
❖ 食事の中でマインドフルネスを高める
箸を丁寧に使い、箸先に意識を集中させることで「今、食事を頂いている」というゾーンに入ります。それによってこれまで抱えていた過去のトラウマや未来への不安などの雑念が和らいでいきます。そんな積み重ねから、有意義な食事の時間へと変化し、よリラックスできるひと時となっていきます。
❖ 集中力の向上
箸を使う際、箸先にぐっと意識を向けて食事を頂くことで、自然と集中力が高まっていきます。これにより、食事中は他の事に気を取られにくくなり、食後に控えている重要な仕事へと気持ちの切り替えがスムーズにでき、最高のパフォーマンスを発揮出来たり、滞っていた業務が効率的にを進められたり、あらゆる面で変化が訪れます。
❖ 姿勢の改善
箸礼法に沿った姿勢で食事をすることは、体のバランスを整え、食事中の姿勢を正すことができます。これが、日常生活における、PC作業時、勉強時などの場面でも姿勢が改善され、肩凝りや腰痛など慢性的に抱えている不調の軽減にも寄与します。
箸礼法の魅力
箸礼法の魅力は、『特別な準備や道具は不要である』こと。普段の食事の中に自然と取り入れられるため、忙しい現代人にこそ適した健康習慣です。例えば、以下のような簡単な実践から始めることができます。
1. その都度箸を置く
ひと口毎に箸を置くことで、咀嚼をすることに意識が集中していきます。それにより、「咀嚼筋」や「顎関節」が鍛えられ、記憶を司る「海馬」が活性化していきます。その結果、記憶力の向上や認知症予防に効果があらわれます。
2. 食事のリズムを整える
一定のペースで食事をとることで、副交感神経が優位になり慌ただしく過ごしていた食事の時間が、リラックスした心地良い時間へと変わります。その積み重ねによって自律神経のバランスが整いやすくなります。
3. 香りや味わい、触感を愉しむ
箸を丁寧に使うことで食材本来の味わいや香りを再発見できます。これにより、五感が研ぎ澄まされていくため、「濃い味、脂っこいもの、塩味があるもの、甘いもの」といった刺激を求めていた食生活から、カラダにとって適切な味加減で食事を頂けるようになり、結果として、自分自身のことを大切に出来るようになります。
《まとめ》
忙しい毎日だからからこそ、継続しやすい箸礼法がとても役立ちます。何気なく過ごしていた「食事」という時間が、少しの意識の変化によって『自分自身を大切に出来る時間』へと変わります。箸使いを通じて、健やかな毎日を手に入れてみませんか?